
女性員外監事が語る
多様な人財が活躍するぎふしんの未来鬼頭 潤子
地方の人口減少が加速する中、信用金庫に求められる多様な人財の活躍推進において、当庫の取組みに期待することはどのようなことでしょうか。
近年では、女性の社会進出は当たり前になっており、夫婦共働きの家庭が増えていますが、ライフスタイルの多様化が進み、女性も男性も、仕事と家庭のバランスを変えながら仕事をしている時期があると思います。岐阜信用金庫でも、仕事と家庭を両立できるよう、「育児休業制度」や「キャリア転換制度」等の人事制度はかなり整備されてきていますので、次の段階として、制度を利用しやすい職場環境になると良いと思います。女性だけではなく、男性も様々な制度を利用できるようになると理想的ですね。女性が働きやすい環境は男性にとっても働きやすい環境だと思いますし、職場環境が良いと家族や地域ともより良好な関係が築けると思います。
その上で、多様な人財が活躍する地域金融機関として、ぜひとも地域を活性化させ盛り上げていっていただきたいです。自治体とどう連携していくのか、町内会等の組織や地元の人たちとどうリレーションを築いていくのか、岐阜信用金庫がこれまで大切にしてきた取組みを進化させていただきたいと思っています。
身近な例を挙げると、愛知県の名古屋市では大須商店街が活性化し多くの人で賑わい、犬山市の城下町では観光客が増加しています。岐阜県でも同じようなことができないか、魅力あるまちづくりへの積極的な参画、地域に密着した取組みに期待しています。地域が活性化すると、外から資本が入ってくることでより多様な若い人財が集まり、更に地域が盛り上がるのではと思います。

昨今、女性活躍推進は益々重要な施策となっています。次世代の女性リーダーに向けた応援メッセージをお願いします。
私の基本的な思いは、男性も女性もやりがいを持って、岐阜信用金庫の発展と自己実現のために仕事を通して成長していただきたいということです。今は女性活躍を推進する時期であり、女性に対する配慮は必要ですが、行き過ぎは良くありません。本人の希望に沿ったサポートをお願いしたいと思います。未来の岐阜信用金庫では、女性管理職の存在が珍しくない組織となり、女性管理職という言葉自体が無くなることを期待したいですね。
私の経験をお話しますと、大学までは男女が一緒に授業を受け、同じことを学んでいましたし、公平に評価をされていたので、正直なところ、男性、女性という意識をしたことがありませんでした。しかし、男女雇用機会均等法が施行された後に就職したにも関わらず、就職活動の時に、四大卒の女性は採用していないと言われ、初めて男女格差の現実を知って大変な衝撃を受けました。そういう意味では本当に世間知らずだったと思います(笑)。
何が不安だったかと言えば、自分のキャリアが行き止まりかもしれないということでした。所謂、「ガラスの天井」であれば割ることもできますが(笑)。監査法人に入った時には女性の会計士は他におらず私だけでしたから、常に「1号」だと言われていました。自分から見えている風景は男性も女性も同質であり違和感がないのに、相手から私を見る風景には物凄く違和感があったのでしょうね。かなり時が経ってから、実はどう扱ってよいか、どこまで仕事を任せてよいかがわからなかったと男性の上司に言われました。後に外資系の監査法人と合併したことで、初めて女性の役員と出会いました。ひとりの会計士として見ていただけるようになり、先に道が見え、そこから道が開け今に至っています。彼女との出会いには本当に感謝しています。
岐阜信用金庫の女性管理職比率(代理職以上)は10%を超え、より身近にロールモデルと接する機会も増えてきているので、進む道は描きやすくなってきていると思います。しかし、女性は独特の奥ゆかしさからなのか、昇進の打診があった際に「私には無理です」と回答することがあるかもしれません。上司の方は、その言葉を真に受けず、ぜひ背中を押し続けていただきたいと思います。やったことのないことは男性でも不安ですものね。次世代の女性リーダーには、チャンスをもらったら「ありがとうございます!」と言ってごらん!とお伝えしたいと思います。
(員外監事)員外監事(会員外の監事)は、信用金庫法の定めにより、執行部や金庫から一定の距離を置いた監事を選任し、独立性を高めるべく義務付けられている制度です。
発行:2025.01発行 岐阜信用金庫経営企画部サステナビリティ推進室