トーク128
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取引地域ごとの取引シェア 次に(図3)を見て下さい。どの国でFX取引が行われたか、その金額とシェアを表したものです。 アメリカ・ドルの取引量が多くても、アメリカでの取引が一番多いわけではありません。実はイギリスが一番多いのです。 数年前まではアジアの雄であった日本も、近年では香港やシンガポールに取引シェアを奪われています。 FX取引は取引所がないため、取引したい人同士で取引する(店頭取引と言います)ため、取引そのものに時間制限はなく、世界中で24時間取引されています。 またFX取引は通常、各地域の中心地に集中する傾向があります。アジアから始まるFX取引は、日本時間の夕方には徐々にロンドンに移り、ロンドンの午後の取引からは徐々にニューヨークへ移っていきます。イギリスの取引量が多いのは、金融の中心という要因もありますが、アジアとアメリカの取引時間とが被っているという地理的な要因もあるのです。(図4参照) もうひとつ見て頂きたいのは金額です。合計金額が約6.5兆米ドル(日本円に換算すると約651兆円)となっていますが、この金額は調査月の1日平均の金額です。一部の調査ですらこの金額なので、FX市場がいかに大きな市場であるかが分かると思います。まとめ・外国為替市場のすべてを完全には把握できない。 ⇒噂好きな市場の背景・取引の大半はアメリカ・ドルである。 ⇒市場参加者の関心がアメリカに集中する背景 次回は、「外国為替相場が動くメカニズムについて」を予定しています。9外国為替相場について

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