トーク128
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FXディーラーに向いている人とは 外国為替市場の解説をする前に、約20年前に筆者がFXディーラーになったばかりの時に、外部研修で受けた適性テストを紹介します。皆さんはいくつ当てはまりますか?チェック番 号質 問①“0”をマルと読んでしまう。②100万円は高額だと感じるが、10万ドルは少額だと思ってしまう。③自販機のボタンが光ったら、勢いよく押してしまう。④「スワップ」という言葉を平気で人前で口にすることができる。⑤日本の経済情勢よりも、アメリカの経済情勢に詳しい。⑥海外旅行で余った外貨現金は、相場が良くなるまで保有してしまう。⑦一度断言したことを、平気でひっくり返せる。⑧時系列で動く数字は、何でもグラフにしたい。⑨顔を知らない友人が、10人以上いる。⑩夕方4時ごろ、夜9時半ごろになると興奮する。⑪利回りにうるさい。⑫独り言が多い。⑬一度に3人以上の声を聴くことができる。⑭家でも電話には「もしもし」ではなく「もし」と言ってしまう。⑮アメリカ・ドル/日本円の相場がわかって、初めて当時の事を思い出す。 いかがでしたか? 筆者の場合、20年前は15個中2個しか該当しませんでしたが、現在は15個中13個が当てはまります。当てはまる項目が多いほど、性格的にはFXディーラー向きとのことです。どの質問も、FXディーラーとしての性(さが)を的確に表現しており、“FXディーラー=ちょっと変わった人”と言われても仕方がないとディーラー仲間では笑い話になっている次第です。外国為替市場について そんな“ちょっと変わっている人達”がプレーヤーである外国為替市場(以下、略してFX市場)は、その名の通り、色々な国の通貨を売り買いしたり、貸し借りしている市場の名称です。そのメイン参加者は金融機関で、主に卸売業者のような役割を担っています。しかし、エンド・ユーザーとして様々な業種の企業や“ミセス・ワタナベ”と呼ばれる個人投資家などを参加者に含めると、市場の規模は非常に大きなものになります。 また、FX専門の取引所は存在せず、株式や債券のように流通している金額や保有者の全容が分からないため、誰が、いつ、どこで、いくらを買ったかについては把握できません。このように、取引主体や規模といった全体像が完全には捉えにくいという市場の特殊事情は、FX市場が“噂好き”“先取りしたがる”傾向が強い市場であるという特徴の背景にあるように思います。 全体像を捉えにくい市場ではありますが、参考となる統計資料が全くないわけではありません。国際決済銀行が3年に一度、約50以上の国・地域(約1300の金融機関)に協力してもらい、FX取引に関する統計資料を出しています。本稿では、その資料から一部を抜粋して、ざっくりとFX市場の全容を紹介します。FXディーラー適性テスト7外国為替相場について

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