トーク127
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介護保険制度の基本的な仕組み 介護保険制度は、市町村が運営主体(保険者)となり、国と都道府県は財政面及び事務面から市町村を支援する体制となっています。また、介護保険制度の被保険者は、40歳以上の方が対象となり、二種類に分類されます。第1号被保険者は65歳以上の方であり、第2号被保険者は医療保険に加入している40歳から64歳までの方です。介護保険の財源は保険料が50%です。2016年時点で、そのうち第1号被保険者の保険料が2.1兆円で全体の22%、第2号被保険者の保険料が2.7兆円で全体の28%となっています。残りの50%は公費(国が25%、都道府県が12.5%、市町村が12.5%)で賄われています。 介護保険サービス(図表2)については、65歳以上の方は原因を問わず要支援・要介護状態となったときに、40~64歳の方は特定疾病が原因で要支援・要介護状態となったときに、受けることができます。 市町村は、第1号被保険者から保険料を徴収するとともに、被保険者からの申請があれば要介護認定を行います。その認定に基づいて、ケアマネジャー(介護支援専門員)が、要介護・要支援者がその心身の状況などに応じた適切なサービスを利用できるように「介護サービスの利用計画」(ケアプラン)や「介護予防ケアプラン」を作成します。 ケアプランの作成にあたっては、それぞれの利用者の要介護度と希望に応じた介護サービスが選択されます。今後の介護保険をとりまく状況 我が国の介護費用は、介護保険制度開始当時は約3.6兆円でしたが、2016年度には約10.4兆円、2025年度には約21兆円と制度開始当時の約6倍に増加すると推計されています。これは、65歳以上の高齢者数の増加、認知症高齢者数の増加、高齢者世帯数の増加等に伴うものです (図表3)。(出所)平成27年度厚生労働省「公的介護保険制度の現状と今後の役割」を加工して作成(図表3) 今後の介護保険をとりまく状況① 65歳以上の高齢者数は、2025年には3,657万人となり、2042年にはピークを迎える予測(3,878万人)。  また、75歳以上高齢者の全人口に占める割合は増加していき、2055年には、25%を超える見込み。2010年2015年2025年2055年65歳以上高齢者人口(割合)2,948万人(23.0%)3,395万人(26.8%)3,657万人(30.3%)3,626万人(39.4%)75歳以上高齢者人口(割合)1,419万人(11.1%)1,646万人(13.0%)2,179万人(18.1%)2,401万人(26.1%)国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(平成25(2013))年1月推計)」より作成④ 75歳以上人口は、都市部では急速に増加し、もともと高齢者人口の多い地方でも緩やかに増加する。各地域の高齢化の  状況は異なるため、各地域の特性に応じた対応が必要。            ※都道府県名欄の( )内の数字は倍率の順位埼玉県(1)千葉県(2)神奈川県(3)愛知県(4)大阪府(5)〜岐阜県(19)〜鹿児島県(45)秋田県(46)山形県(47)全国2015年< >は割合76.5万人<10.6%>71.7万人<11.6%>101.6万人<11.1%>81.7万人<10.9%>107.0万人<12.1%>27.8万人<13.7%>26.7万人<16.2%>18.8万人<18.4%>19.0万人<17.0%>1645.8万人<13.0%>2025年< >は割合( )は倍率117.7万人<16.8%>(1.54倍)108.2万人<18.1%>(1.51倍)148.5万人<16.5%>(1.46倍)116.6万人<15.9%>(1.43倍)152.8万人<18.2%>(1.43倍)35.9万人<18.8%>(1.29倍)29.5万人<19.4%>(1.10倍)20.5万人<23.0%>(1.09倍)20.7万人<20.6%>(1.09倍)2178.6万人<18.1%>(1.32倍)国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成25(2013)年3月推計)」より作成② 65歳以上の高齢者のうち、認知症高齢者が増加していく。③ 世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯が増加していく。世帯主が65歳以上の夫婦のみの世帯数世帯主が65歳以上の単独世帯数国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(平成25(2013))年1月推計)」より作成世帯主が65歳以上の単独世帯と夫婦のみ世帯の世帯数全体に占める割合(1,000世帯)世帯主が65歳以上の単独世帯及び夫婦のみの世帯数の推計(%)302010015,00010,0005,00002010年2015年2020年2025年2030年2035年20.0%23.1%24.9%25.7%26.6%28.0%4,9805,4036,0086,2096,6796,5127,0076,4537,2986,3287,6226,2542012年2025年※「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 九州大学 二宮教授)による速報値(括弧内は65歳以上人口対比)462万人(15%)約700万人(約20%)7高齢化により変化していく社会モデル

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