トーク127
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(出所)平成28年版 厚生労働白書(図表2) 介護保険サービスの体系在 宅施 設◦訪問介護 ◦訪問看護 ◦訪問入浴介護 ◦居宅介護支援等(例)訪問介護員(ホームヘルパー)が1時間、身体介護を行う場合→1時間:3,880円訪問系サービス◦短期入所生活介護等(例)短期入所生活介護(ショートステイ)に滞在する場合→要介護3の方:7,810円短期滞在系サービス◦介護老人福祉施設 ◦介護老人保健施設等(例)介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)に入所する場合→要介護3の方:1日当たり7,620円入所系サービス◦通所介護 ◦通所リハビリテーション等(例)通所介護(デイサービス)に滞在する場合→要介護3の方:8,980円通所系サービス◦特定施設入居者生活介護 ◦認知症共同生活介護等(例)特定施設(有料老人ホーム等)に入所する場合→要介護3の方:1日当たり6,660円居住系サービス高齢化により変化していく社会モデル~第1回 「医療・介護」制度の現状~我が国の介護保険制度 我が国の介護保険制度は2000年4月に社会全体で高齢者介護を支える仕組みとして創設されました。この制度は、年をとったときに病気やけがをして身体が不自由な状態になったり、あるいは認知症を発症したりして介護が必要になった場合に、かかった費用の1割又は2割を負担することにより、介護サービス事業者の提供するサービスを受けることができるものです。 介護保険制度創設前の老人福祉政策は、1963年に老人福祉法が制定され始まりました。当時の老人福祉政策は、市町村がサービス内容を決定する形でサービスを提供していたため、利用者自身がサービスを選択することは困難でした。また、利用にあたって所得調査が必要である点や、収入に応じた費用徴収がある点等、利用しづらいものでした。こうした中で高齢化は進展し、1960 年に5.7%であった高齢化率(注1)は、1980 年には9.1%、1990年には12.1%となり、要介護高齢者の増加に伴って、介護ニーズはますます増大しました。加えて、介護期間の長期化、核家族化の進行、介護する家族自身の高齢化など、要介護高齢者を支えてきた家族をめぐる状況も岐阜信用金庫 成長戦略部 木下 理司 日本人の平均寿命は、戦後、生活環境の改善や医学の進歩により延び続け、2016年の平均寿命は、男性80.98年、女性87.14年と世界トップクラスになっています。 しかしその反面、日本は世界で最も高齢化が進んだ国となり、団塊の世代が75歳以上となる2025年以降、更にいっそう少子高齢化が進むことが予想されています。こうした中、少子高齢化を乗り越えていくために多くの取り組みが進められており、従来の社会モデルが大きく変化しつつあります。 当金庫では「高齢化により変化していく社会モデル」に焦点をあて、シリーズでレポートをお届けします。第1回目は、「医療・介護」制度の現状と題し、介護保険制度の歴史と基本的な仕組み、今後予想される動向について、平成28年版厚生労働白書を元に述べたいと思います。変化し、従来の老人福祉制度による対応には限界が出てきました。 そこで、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして介護保険制度を創設し、2000年に介護保険法が施行されました(図表1)。(出所)平成28年版 厚生労働白書(図表1) 2000年の「介護保険制度導入」背景【背景】○高齢化の進展に伴い、要介護高齢者の増加、介護期間の長期化など、介護ニーズはますます増大。○一方、核家族化の進行、介護する家族の高齢化など、要介護高齢者を支えてきた家族をめぐる状況も変化。○従来の老人福祉・老人医療制度による対応には限界。【基本的な考え方】○自立支援…単に介護を要する高齢者の身の回りの世話をするということを超えて、      高齢者ができるだけ自立した生活を送れるよう支援することを理念とする。○利用者本位…利用者の選択により、多様な主体から保健医療サービス、       福祉サービスを総合的に受けられる制度○社会保険方式…給付と負担の関係が明確な社会保険方式を採用高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組み(介護保険)を創設1997年介護保険法成立、2000年介護保険法施行(注1) 高齢化率とは65歳以上の人口が総人口に占める割合。6

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