トーク126
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した気持ちが強くなっていきました。そして、考えて考え抜いた結果、社員を雇う以上、利益を追求することが企業にとっては一番大切であるという結論に至りました。それには、ファブレス企業を脱却し、自社工場を持ち、利益をさらに生み出すことができる体制が必要でした。 そんな頃、外注先の一つが廃業するというのを聞き、運よくその工場を買い取りすることができました。加えて、そこで働いていた技術力の高い社員にも来てもらうことができました。このことが変革のきっかけとなったのです。 自社工場を持つようになってからは、業務のほとんどを社内で完結することが可能となり、妥協することなく、良いものをつくることができるようになりました。例え、試作品であっても3Dプリンターを使用して手を抜かず、ほとんど納品できるレベルにまで仕上げて提供します。これがお客さまの信頼につながり、利益を生み出すことになるのだと思います。G…お客さまの信頼を勝ち得ることが利益に直結するのですね。人材育成や組織活性化に向けた取組みもそのあたりを重視しているのですか。 お客さまの要望に向き合うことでものづくりの技術が向上し、利益につながっていくと考えていますので、品質、スピードには徹底してこだわるよう教育しています。社員には常日頃から素材に関する知識のブラッシュアップはもちろんのこと、教育の一環も兼ねて3つの会議を継続して実施しています。G…その3つの会議というのはどのようなものですか。 ① 定例会議(毎週月曜日 午前中)、  ② 技術会議(1ヶ月に1回 半日)、 ③ 本営業会議・本技術会議(2ヶ月に1回 1日)の3つです。 ① の会議については、営業と技術の社員が週の問題点を洗い出し、スピード感を持って解決する会議です。様々な問題を特定の社員に押し付けるのではなく、その会議の場で、「いつまでに誰がどのように解決するか」を決め、解決の糸口を見いだすものです。 ② の会議については、技術上の改善点を話し合い、また、技術から営業に向かって要望を伝える会議です。さらに工場の繁忙、閑散時期を共有し、営業戦略を考える場でもあります。 ③ については、経営に関する重要事項を社員全員で共有する会議です。例えば、今後の設備投資計画や決算内容について話し合います。経営の問題点を経営者目線で追求し、全社員と経営陣の一体化を図ることで「皆で会社を強くするんだ」というやりがいにつなげていくことが目的です。G…様々な会議の場を設け、営業と技術をマッチングさせ、しかも全社員が経営者目線で仕事に取組むことができれば、企業力は向上しますね。その他、お考えのことはありますか。 多少儲からないと思っても、お客さまの望むものをつくることがポリシーであり、目先の利益を追求せず、長期的な視点に立って業務を見るようにしています。また、社員には期限を決めて、「こういうものをいつまでにつくってほしい」といった話はしますが、その後は細かい指示はほとんどしないようにしています。社員の力を発揮させるには「やらされている」と感じさせてはいけません。自発的に業務に取組むことができる社風が職場の満足につながると考えています。 さらに、女性社員が活躍できる環境づくりに力を入れています。3年後を目途に女性社員だけの事業部をつくりたいと考えています。特に美容・ヘルスケア分野については、お客さまも女性が多く、女性目線での製品開発が必要かと思います。そういったこともあり、平成28年には創業以来はじめて新卒の女性社員を2名採用しました。今後、様々な経験を積んでもらい、将来的には女性管理職が誕生すると嬉しいですね。G…平成28年7月に岐阜県各務原市テクノプラザ内において新工場が本格稼働し、医療分野に力を入れているとのことですが、そのあたりについてもお話をお■対談する棚橋社長■筋電義手用のグローブ医療分野への参入8

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