トーク125
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G…御社の成り立ち、これまでの歩みについてお聞かせください。 当社は、もともと農業をしていた父親(先代社長 勝野喜久男氏)がさつまいもを原料とする「いもかりんとう」の製造販売を始めたのがきっかけとなり、昭和26年に創業しました。    「いもかりんとう」は秋から冬にかけてつくりますが、昭和30年代に入り、アイスクリームブームに火がつき、ある取引先から依頼を受けて、春と夏にアイスクリームに使う「コーンカップ」の取扱いを始めました。その後、30年代後半にはアイスクリーム市場の拡大に伴って、「コーンカップ」の製造を専門とし、昭和39年には宮城工場(平成6年に株式会社勝野製菓宮城となる)、昭和46年には犬山工場を新設、生産能力を高めていきました。 私は、2代目ですが、もともと当社を継ぐ気持ちはあまりなく、大学も理工系で食品製造とは畑違いの勉強をしていました。卒業が近くなるにつれ、食品に関する興味も湧いてきましたが、どちらかといえば、家業の食品製造よりも食品販売に関心がありました。「デザートやスイーツを店頭で販売し、お客さまの喜ぶ顔がみたい」と思うようになったからです。ですから、大学卒業後はある大手の洋菓子・冷菓販売を展開している企業に就職し、販売のノウハウを学びました。こうしたこともあり、当社でも、かつては、ある洋菓子販売会社とフランチャイズ契約を結び、洋菓子の販売をしたことがありました。アイスクリーム用の「シュガーコーン」、「コーンカップ」、「モナカ」を年間約3億個製造G…御社は「コーンカップ」大手というイメージが強く、かつて「洋菓子の販売」をされていたことは意外でした。御社の事業概要をもう少しお聞かせください。 当社は現在、アイスクリーム用の「シュガーコーン」、「コーンカップ」、「モナカ」といったコーン・モナカ製品の製造を主業としています。「シュガーコーン」は「カリッ」とした食感でこれだけでもおいしく食べることができるため、バリエーションが豊富です。また、「コーンカップ」は香ばしさと「パリッ」とした食感でアイスクリームのおいしさを引き立てます。さらに「モナカ」は日本独特のテイストであり、幅広い層に受け入れられています。このように3種類のコーン・モナカ製品を取扱いしているのは業界でもめずらしく、犬山工場と勝野製菓宮城で年間約3億個製造しています。G…お話いただいたようにコーン・モナカ製品はそれぞれ微妙に食感が違うのですね。 はい、こうした食感の違いは製品の質を決定づける重要な特徴です。さらにアイスを盛ったり、詰めたりして味がどうなるのかが大切で、コーン・モナカの味が強く出過ぎてはいけないのです。いわば「縁の下の力持ち」的な存在といえるでしょう。G…非常にデリケートですね。 そのために、製造体制、素材には配慮し、気をつかっています。ですから、ほとんど外注に出すことなく、自分のところで製造するというのが基本ですね。5,600平方メートルにおよぶ犬山工場、2,700平方メートルの勝野製菓宮城の工場には、ドイツ製最新アイスクリームを引き立てる「縁の下の力持ち」3SPECIAL TALK 株式会社 勝野製菓

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