トーク125
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 大昔、人々は自給自足の生活が当たり前で、食べるものは木の実を採ったり、魚を獲ったり、獣を狩ったりしていました。衣服や住まいもしかり。自分たちの手でつくるという暮らしです。そのうち人々の間でそれぞれが持っているものを交換して欲しいものを手に入れるスタイル、物々交換が始まりました。そこから〈ものを交換する機能〉〈ものの価値をはかる機能〉〈ものをためておく機能〉をもつ、今でいうお金のような役割を果たすものが設定され、「物品貨幣」へとつながりました。その例が、穀物や塩、布。これらは誰もが欲しいと思う価値あるものだからこそ、他に欲しいものがあったときに交換できる価値もある、という理屈です。その他には、貝殻(貝貨)や矢じり、鳥の羽根などがあったようです。お金に関係のある漢字、たとえば「財」「貯」「買」「賭」などには、なるほど「貝」が目につきます。また、サラリーマンの「サラリー(salary)」という語は「塩」を意味するラテン語「salarium」に由来があるといわれます。古代ローマ時代は、塩が大変貴重であったことから、兵士に塩を渡していたのだとか。塩が給料の代わりに使われることがあったのかもしれません。経済とお金。私たちが経済のことに思いをめぐらせるとき、お金の存在は切り離せません。その身近なお金の歴史を改めて紐解いてみたいと思います。お金はいつ誕生したのか?世界では?日本では?今回はお金の歴史を〈硬貨〉に注目して見てみます。塩が給料?! サラリーマンの「サラリー」は塩が語源給料salary塩salarium(ラテン語)14今昔けいざい物語お金の歴史〈硬貨編〉「昔」に学んで、「今」をゆたかに。

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