トーク125
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■「個人旅行に特化した旅行フェア」 (FIT FAIR)の様子■「中部農水産物・食品輸出商談会  in バンコク」の様子開催されています。しかしながら、実際に商品を購入するのは、タイで生活している日本人がほとんどです。 日本の地元名産品を海外で販売するには、「文化、宗教などの理由で飲食が禁止されているものではないか」「どこの国でどういった人々(階層など)にいくらで販売するのか」といった市場調査が重要です。さらに、商品の説明が現地の言葉でないとほとんど買ってもらえないことに留意が必要です。 先日、タイに進出したA社を訪問する機会がありました。A社は観光地として名高い岐阜県高山市で土産物製造販売とドライブインを経営していますが、地元名産品である赤かぶの漬物の販売を拡大するために親日国であるタイへの進出を決めました。社長はタイ人観光客を高山市に誘致するため、アセアン各国の旅行会社を回り、自社が経営するドライブインに観光バスが入るように営業し、成果をあげつつあります。 この話を聞いて海外で地元名産品の販売を促進するには、単に商品の売り込みだけを考えるのではなく、「日本のどのような場所で販売され、どうやってつくられているのか」を説明し、そのうえで「実際にみてもらって、味を確かめてもらう」といったきめ細かな営業で日本をPRして、外国人観光客を日本に誘致する取組みが必要であると思いました。つまり、「インバウンド事業」です。「インバウンド事業」は単にプロモーションに注力するだけでなく、外国人用観光パンフレットの整備やWi-Fiなどのインターネットサービスの充実が求められます。このように日本に観光に来てもらい、地元名産品を買ってもらうことは販売拡大につながる有効な取組みの一つであると考えます。 平成28年3月に愛知県のある商工会議所の視察団を受け入れる機会がありましたので、こうしたタイビジネスに関する私の考えを伝えると「既に台湾に対して、日本に観光に来てもらえるようなお願いや取組みをしているが、タイでも同じようなことができないか」とのお話をいただきました。 岐阜県、愛知県には歴史、自然にテーマを置いただけでも観光スポットは数多くあります。私の地元でもある岐阜県揖斐川町にも木曽三川のひとつである揖斐川や谷汲山華厳寺、徳山ダムなど四季を通じて外国人観光客が楽しめる場所があります。また、「鮎の塩焼き」、「柿」などは是非タイの人たちに知ってもらいたい地元名産品です。もっと「インバウンド事業」が活性化できれば、タイのマーケットはさらに広がっていくのではないかと思います。 各地方自治体もこうした取組みに力を入れています。今後は、地方自治体などとも連携をとりながら、バンコク駐在員事務所長として、岐阜県、愛知県の良いところをタイの人達に伝えていく活動にも注力し、お客さまの海外事業のサポートに全力で取組んでいきたいと考えています。これからのタイビジネスについて外国人観光客を日本に誘致する「インバウンド事業」への取組み13海外レポート

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