トーク124
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オーディオへの熱い思いが原点G…まずは、原社長のこれまでの歩みについてお聞かせください。  私の父親が蓄音機を持っており、こうした影響があって、小さい頃から音楽に慣れ親しみ、その流れで音響装置、つまりオーディオに心惹かれるようになりました。 大学を卒業して2年程度会社勤めをした後、自分で建設会社(ハラ建設株式会社)を設立しましたが、オーディオへの興味は薄れるどころか、ますます熱を帯びてエスカレートしていき、仕事の傍ら、独自にオーディオの研究を行っていました。そうすると、業界でも私の名前が知られるようになり、メーカーなどは新製品を投入する際、私の意見を参考にすることもありました。G…オーディオへの興味は社会人になっても衰えることなく、長年にわたり、いい音を追い求め、独自に研究開発を続けてこられたというお話ですが、御社(キソアコースティック株式会社)創業の経緯についてお聞かせください。 私は自分自身で音楽を楽しむだけではなく、「地域貢献の意味を込めて、コンサートなどが開催される機会が少ない地域の人にもいい音楽を聴いてもらいたい」という思いをずっと持ち続けていました。そうしたなか、私が住む岐阜県中津川市にある企業で、エレクトリック・アコースティックギター(エレアコ)のトップブランドとして世界的にも有名な株式会社高峰楽器製作所(以下、高峰楽器製作所)さんと一緒に地元高校のギターマンドリン部の支援を行いました。まるで弦楽器のような美しい響きで音楽をリアルに再現する小型スピーカーシステム。これこそがキソアコースティックが追い求めるもの。また、こうした思いはオーディオの研究の原動力となった訳ですが、ある時、高峰楽器製作所さんとオンキヨー株式会社さんが共同でギターアコースティックスピーカーを開発することになり、私は高峰楽器製作所さん側のオブザーバーとして参加することになりました。それは、全く新しい発想のスピーカーシステムであり、魅力を感じました。こうしたことをきっかけにして、自分で会社を立ち上げ、本格的にスピーカーシステムを提供するようになったのです。 全く新しい発想で弦楽器のような美しい響きを醸し出すスピーカーシステムG…その新しい発想のスピーカーシステムとは一体どういうものですか。 世間一般に流通している多くのスピーカーシステムは、キャビネット(スピーカーユニットを収納する箱のこと)自体の共振を排除する構造となっており、様々な内部補強によって振動を抑え込んだ剛性の高いキャビネットを使用しています。つまり、スピーカーユニット以外は音を出さないように設計されているのが特徴です。 一方、先ほどお話した新しい発想のスピーカーシステムというのは、ギターやバイオリンを感じさせる薄く軽いキャビネットを使用し、そのキャビネットを弦楽器のように響かせるのが特徴です。多くのスピーカーシステムと全く反対の設計となっており、大変ユニークなモデルといえるのではないでしょうか。7キソアコースティック株式会社

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