トーク124
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ことです。企業規模がある程度まで大きくなると、株式公開等の話が持ち上がってきますが、株主よりも、社員やその家族に利益を還元したいので、現状は考えておりません。それよりも社員にもお客さまにも心から満足してもらえる企業を目指して日々努力をしています。 具体的には、人としての成長やますます進展する国際化に対応できる人材の育成も兼ねて積極的に海外経験のチャンスを与えるようにしています。慰安旅行はもちろんのこと、なかには海外に赴任させるケースもあります。特に海外赴任を経験した社員の成長は目を見張るものがあります。そういった社員が活躍する姿をみると大変嬉しく思いますね。G…今、海外赴任のお話がでましたが、御社の海外展開についてお聞かせください。 平成11年、アメリカのインディアナ州に営業事務所(販売子会社)を設立したのが海外展開のはじまりです。元々、アメリカに憧れもあり、「是非この地で会社を持ちたい」という夢がありました。 営業事務所の経営は順調に推移しましたが、しばらくすると、お客さまから「金型を売るだけでなく、ちゃんとメンテナンスもしてほしい。工場をつくったらどうか」との要望があり、平成14年にケンタッキー州に金型製造会社を設立しました。 設立してから数年は、金型の販売数量が読みづらく、厳しい経営を強いられました。「初期投資が高かったのではないか」など思い悩むこともありましたが、幸い、日本では利益を上げることができていましたので、「もう少し頑張ってみよう」と粘り強く続けていました。G…現在の状況はどうですか。 何とか「リーマンショック」を乗り越え、その後は、お蔭さまで経営は黒字に転換しました。先ほどの初期投資の話に戻りますが、今になって考えると、多少お金がかかっても、便利で治安がよく生活しやすいところに社員を住まわせるなど、海外赴任が楽しいものになるよう工夫したことが奏功したのではないかと思います。 平成24年にはアメリカに続き、インドネシアにも金型製造会社を設立しました。今後成長が見込まれるアジアの製造拠点として展開させ、更なる事業の拡大を推進したいと考えています。インタビューを終えて 鷲野社長の明るい語り口は、同社の活気ある雰囲気そのものであり、「特殊鋼」の商社が「金型製造事業」に参入し、納期厳守と低コストを徹底して成功に導くことができた理由が分かるような気がしました。 また、お話を伺っていると、これまで会社を支えた社員に対する感謝の気持ちが私達にもよく伝わり、そうした社員に応えようとする取組みが社員の満足につながり、それがお客さまへの満足、繁栄にもつながっていくのだと感じました。 「企業は人なり」と言いますが、CS(お客さま満足)の向上を図るには、働く人たちのES(社員満足)の向上がなければ成り立ちません。 働きやすい企業風土をつくるために必要とされる「互いを認め合うこと」や「仕事を楽しむ」という文化が同社にはしっかりと根付いているのだと思いました。インタビュアー:営業企画部 部長 奥村 順一営業企画部 マーケティンググループ長 古山 雄一郎G…お忙しい毎日と思いますが、ご趣味等をお聞かせください。 趣味はゴルフと海外旅行です。特に海外に行くと、みるもの全てが新鮮で見聞が広がります。若い社員に言いたいのですが、積極的に海外に出て、日本では味わえない経験を色々としてほしいですね。その経験は絶対に自分の力になって、今後に生きてくるのではないでしょうか。 これからも全社員の幸せのためにG…最後に、鷲野社長の「夢」をお聞かせください。 当社は平成27年に創立50周年を迎えることができました。こうして、半世紀に渡り続けることができたのは、全社員の支えがあったからです。ですから、当社に今年入社した人、これから入社してくる人を含め全社員が定年退職するときに「この会社に勤めることができて本当によかった」と心から思ってもらえるような会社にするのが私の夢です。そのために、これからも人材育成など企業基盤の強化に力を注ぎ、先ほどお話した「日本一の企業内容を誇る会社」を目指して頑張っていきたいですね。G…本日は、大変有意義なお話を伺うことができ、感謝しております。「会社はどうあるべきか」を改めて考えさせられました。御社のますますの発展を心からお祈りします。長時間にわたり、誠にありがとうございました。5名古屋特殊鋼株式会社

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