トーク123
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■日本ウエストンの取組みが評価され、数々の賞を受賞 結果的に、当社が雇用する障がい者はかなりの職業訓練を必要とする場合が多く、雇用すればするほど、当社の負担感が日に日に増してきたのです。 障がい者の職業訓練を行う場としては、大企業の特例子会社の福祉工場などがありますが、これらは身体障がい者や知的障がい者のためのものが大部分であり、精神障がい者に門戸を開いたところは皆無でした。理由はいろいろとあると思いますが、その一つに精神障がい者の場合、障がいの程度が家族や周囲の人でも把握が難しく、十分な支援や対応ができないことが挙げられます。 そこで現会長が考えたのは、主に精神障がい者の社会復帰を目的とした社会福祉法人清穂会(せいすいかい)の設立です。ここで十分な職業訓練や就業支援を実施しようと思ったわけです。 つまり、働く前に職業訓練の必要のない障がい者については当社がそのまま受け入れ、職業訓練が必要な場合は、清穂会で仕事をしながら職業訓練を受けてもらい、その後、十分に働ける能力が身につけば、当社が正式に雇用する。そうした連携をとりながら、当社だけでは難しい障がい者のサポートや社会的な訓練・雇用機会の提供を幅広く行っていくのです。 障がいを持つ従業員目線に立って考えるG…こうした問題から逃げることなく、しかも社会福祉法人まで立ち上げて正面から取組む姿勢は素晴らしいと思いますが、いろいろとご苦労も多いのではないですか。 よく「経営は成り立つのか」「利益を上げることが難しいのではないのか」という質問を受けますが、これは、「障がい者がいくら職業訓練を受けても、業務能力の引き上げには限界があるだろう」と思われているからではないでしょうか。確かに健常者のようにバリバリ働けるようになるのは難しいかもしれませんが、企業が障がいを持つ従業員目線に立ち、仕事がしやすい環境を整えることで、生産性を高めることができ、利益を出すことは十分可能です。 つまり、障がいがあろうとも、従業員は、当社にとって大切な財産であり、「日々わくわくしながら、いきいきと働くことで、自立した生活を送り、人間的に成長してもらいたい」といつも考えています。休みあけの月曜日に「もう会社いくのいやや」ではなく、「会社に行けてうれしい、みんなに会えてうれしい」と思ってもらえば最高です。 今後も様々な工夫をし、清穂会と連携をとりながら、お客さまはもちろんのこと、障がいを持つ従業員、私たちは「キャスト」と呼んでいますが、「キャスト」も当社も幸せになれる関係をもっと良い方向に発展させたいです。 お客さまの期待、想像を超えたサービスでお客さまに喜んでいただくG…いろいろと工夫をして、人材を育成し、組織を活性化させる取組みをされていますね。今、お客さまの幸せという言葉が出てきましたが、CS(お客さま満足)への取組みについてもお聞かせいただけますか。 当社は、お客さまに常に必要とされ、喜んでもらえる企業、つまり「お客さま満足提供業」です。よく例えて言うのですが、「幸せのストーカー」「お花を売らない花屋さん」なのです。つまり、単純なモノの提供にとどまらず、心遣いやサービスの提供でいかにお客さまに喜んでいただくかということです。G…御社の業務はどちらかというと、サービス業というよりは製造業に近いと思うのですが、こうしたサービス業以上のサービスは業績につながるのでしょうか。 サービスは、無償であるという考え方がありますが、それは間違っています。サービスは、本来有償であり、質の高いサービスの提供があれば、体力勝負の価格競争から一線を画すことができます。また、サービスに感動していただいたお客さまは当社を絶えず宣伝してくれます。いわば、お客さまが当社の営業マンになってくれるのです。お客さまがお客さまを呼ぶといった相乗効果が期待できるのです。 私は、「困ったときに助けてくれる存在」こそが本当のお客さまであると考えています。つまり、当社のサービスに満足してもらい、どんな時も適正な取引をしていただける相手です。「安ければどこでもいい、安くしてくれなければ、取引しない」というのは、本4SPECIAL TALK

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