トーク123
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感動おもてなしグッズG…事務室の全員が立ち上がって、笑顔でご挨拶いただき、なおかつ、この「感動おもてなしグッズ」には驚きました。「スリッパ」、「コースター」だけでなく、なんと「おしぼり」にも名前が入っているとはびっくりです。さらに「名前入りのうちわ」と「歓迎メッセージが書かれた色紙」は自分の目を疑いました。特にこの色紙は、私の名前をもじって私の特徴を押さえた「ウエストンの詩」が書かれています。 ようこそ、この雨のなか、お越しいただきました。どうぞ、お座りください。驚かすつもりではなかったのですが。G…驚きというか、感動しました。本日はお忙しいところ、時間をいただきありがとうございます。興奮冷めやらぬところではありますが、感動企業である御社の成り立ちについてお聞かせいただけますか。 当社は、自動車産業・半導体産業で使用される「ウエス」「手袋」のクリーニングを主体に、航空機向けの特殊クロスの製造販売などを行っている会社です。「ウエス」とは機械の油汚れや不純物を拭き取る清掃用の布のことです。1970年に私の義父で現会長(臼井清三氏)が脱サラをして設立しました。 創業当時は、大量生産・大量消費の時代で、日本には「リサイクル」という言葉は定着していませんでした。したがって、「ウエス」をクリーニングして再び利用するということは、時代に逆行することであると思われていました。しかしながら、大きな工場では「ウエス」が大量に使用されますので、いくら時代の流れとは言え、それをそのまま捨ててしまうことは、「環境には良くないのではないか、これを何とか活かすことはできないか」という思いが常にあり、粘り強く事業を継続してきました。 時が経つにつれ、環境保全が叫ばれるようになり、当社の事業内容と世間の考えがマッチングし始めました。おかげさまで、会社も順調に成長し、現在、取引先は大手自動車会社やアメリカのボーイング社にまで広がりました。G…御社は、「環境配慮型企業」として高い評価を受けていますが、もう一つの特徴である「人にやさしい企業」として注目を浴びていますね。これまでの取組みが評価されて、今年の2月には公益社団法人日本フィランソロピー協会の「企業フィランソロピー大賞」(社会の課題解決のために自社の経営資源を使って一石を投じた企業に贈られる賞のことで、2003年に創設)を受賞されましたね。誠におめでとうございます。 ありがとうございます。当社のもう一つの特徴として、既にご存知かもしれませんが、障がい者の雇用を積極的に行っていることが挙げられます。 会社も順調に成長し、子会社を設立するなどをしていた1980年頃のことです。近隣の精神障がい者を持つご家族から「是非、子どもを雇ってもらえないだろうか」という依頼を受けました。当時はまだ、自分の会社のことだけで手一杯であり、こうしたお願いは難しい状況でしたので、丁重にお断りしました。しかし、「他に頼む先がないので、何とかお願いしたい」と繰り返しお話があり、結局は引き受けることになりました。 すると、これをきっかけに、「わが子もお願いできないだろうか」と、精神障がいのある子どもを持つ親から当社への就職を希望するお話が多くなり、だんだんと障がい者を雇用するようになっていったのです。G…御社は、どのようにしてこうした人たちの能力を会社経営に活かされたのですか。 雇用を始めた当時は、正直「会社経営に支障をきたすのではないか」と心配でした。つまり、障がい者を雇用する場合は、通常、雇用してから社内で職業訓練を実施し、時間をかけて育てることが必要になってきます。しかしながら、会社は当然、福祉施設ではありませんから、のんびりと職業訓練をすることはできません。しかも、当社で働きたいと希望する人の多くは、比較的重度の障がいを持っており、障がいの程度が軽度の人は当社の近隣にある大企業の特例子会社(障がいを持つ人を雇用するために設立された特別な会社)に就職していました。■一人一人に用意された「感動おもてなしグッズ」3日本ウエストン 株式会社

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