トーク123
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■社内報 「iwata通信」て、楽しくやりたいと思っています。G…お忙しい毎日と思いますが、息抜き、ご趣味などについてお聞かせください。 「読書」と「ゴルフ」といったところでしょうか。特に「読書」は自分の想像力や感性を磨くために必要不可欠であると考えています。人生において、何をするにしても、自分の素養づくり、才能の下地づくりが大事で、「読書」は栄養となってこれらに応えてくれます。ですから、当社の社内報の「iwata通信」でも自分のコーナーをつくって、今読んでいる本を紹介し、それに関連づけた話を掲載しています。自分の理念や理想を伝える大切な機会としてとらえています。 高い人間力を持ってほしいG…最後に岩田社長の「夢」をお聞かせください。 私は2代目社長でありますが、振り返れば、日本はバブル経済崩壊後、「失われた20年」と呼ばれるほどの低迷した時代を経験し、当社にも過去において、厳しい局面がいくつかありました。そうした状況に置かれる都度、従業員とともに努力し、困難を乗り越え、成長することができました。 当社の成長のペースは年率に換算すれば5%強といったところでしょうか。ユニクロやソフトバンクのような成長ではありませんが、これぐらいが問題解決に適した成長だと考えています。これ以上になると、自分の手に負えなくなってしまうかもしれません。 今後も着実な成長を目指していきます。当社に縁あって働く従業員が60、65歳になったとき、この会社に勤めることができてよかったと思ってもらえれば嬉しいですね。でもそういった会社に近づきつつあるのではないでしょうか。実際、従業員の子息が当社に入社するケースが増えています。これは、経営者冥利につきますね。あと、従業員には、「考える能力」やいろいろな話ができる「雑談(コミュニケーション)能力」を身につけてもらいたいですね。時代遅れと言われようが、関係ありません。是非、高い人間力を持ってほしいと思います。 日本を含む先進国のように成長段階が過ぎて、成熟段階にある資本主義社会では、国内マーケットは飽和状態にあり、企業経営は「いかに少数派に入るか(いかに勝ち組となるか)」というゲームになると思います。「時代が悪い、政府が悪い」と嘆いてばかりはいられません。時間をかけてでも、高い人間力を持った従業員をひとりでも多く育成し、着実に一歩ずつ前進していきたいと考えています。そうすれば、当社も「少数派に入る」というゲームに打ち勝ち、今後も生き残ることができるのではないでしょうか。G…本日は、「デジタルフリー奨励金制度」などユニークな取組みやメセナ活動についてのお話をたくさん聞くことができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。心から感謝いたします。長時間にわたり、誠にありがとうございました。取材を終えて 事前に参考資料をご用意のうえ、丁寧にご対応いただき、岩田社長のあたたかい人柄が伝わる取材でした。私どもの質問に対しても、終始笑顔でお答えになり、これまでのビジネス人生、経営哲学など、多岐に渡るお話は、思わず時間が経つのも忘れてしまうほど有意義でした。 特に、冒頭でお話のあった「デジタルフリー奨励金制度」については、多くのマスコミが関心を持ち、新聞などにも大きく掲載されました。ですから、取材前よりユニークな取組みとしてその意義、効果を是非教えていただきたいと思っていました。詳細をお聞きしていくうちに、スマートフォン依存に代表されるデジタル機器の負の側面に早くから着目され、「会話をする」「読書をする」といったアナログ的な時間を増やし、従業員の「考える能力」「雑談(コミュニケーション)能力」を強化する取組みであることが理解できました。まさに究極の人材育成方法であり、組織活性化につながっていくものであると感銘を受けました。また、25年に渡り続けているメセナ活動も含め、同社の企業としての力を垣間見た次第です。インタビュアー:営業企画部 部長 下村浩明営業企画部 マーケティンググループ長 古山 雄一郎9株式会社 岩田製作所

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