トーク122
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うまく引き出し業績向上につなげていますね。 福田会長…様々なお客さまと接する機会が多いので、社員に嫌な仕事をさせていては、表情が暗くなり、お客さまも不快な気持ちになってしまいます。人材育成の基本は「適材適所」です。馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできないように、嫌々仕事をしてもらっても成果が上がらないのです。反対に好きなことはどんどん伸びていくのです。 仁木社長…仕事をやっていくうえで大切にしていることは、福田会長から教えられた「相手の立場になって考える」ということです。例え、何かトラブルが起きたとしても相手の立場になって冷静に考えればおのずと答えがみつかるのです。社員にも自分の考えを無理やり押し付けるのではなく、長所、短所を見極めながら、力が発揮できるようじっくりと指導しています。G…今、「相手の立場になって考える」というお話がでましたが、CS(お客さま満足度)への取組みについてもお聞かせください。 仁木社長…当社が扱う「治療食」、「介護食」は単にお腹を満たすための食事とは違い、お客さまの体の状態や嗜好を考慮しておつくりするものです。つまり「健康」になっていただくための食事なのです。例えば、美味しさを追求しながらも、糖尿病の方にはバターを塗らずに脂質とカロリーを軽減します。また、腎臓病の方にはタンパク質を制限するために魚の切り身の量を3分の2にしますが、その代わりにパン粉をつけて必要なカロリーがとれるようにするなど工夫をしています。そのため、普通のお弁当などと比べ値段が少々高いですが、食べ続けていただくことで必ず効果が出るものだと思っています。さらに、独り暮らしのご高齢のお客さまが増えるなか、「3分間サービス」という取組みも行っています。この取組みは、配達員が食事をお届けする際、「ポットにお湯を補充する」、「電球を交換する」、「洗濯物を取込む」といったサービスを無料で行うものです。余談ですが、配達員もこうしたお客さまと接することで性格が丸くなり、ご両親から感謝の言葉をいただくことがあります。 これからも多くのお客さまに当社の食事で健康になっていただけるように様々な工夫、サービスを展開していきます。「治療食」の裾野をもっと広げていきたいG…最後に今後の経営ビジョンについてお聞かせください。 仁木社長…今後は介護分野だけではなく医療分野をさらに強化したいと考えています。例えば、現在、医師・歯科医師などの協力を得ながら、飲み込むことが難しい方でも食べやすい食事(嚥下食)の研究も行っています。病院に「食」の重要性をもっと認識してもらい、これからの医療を変える意気込みで取組んでいきたいですね。G…今後ますますのご発展をお祈り申し上げます。本日は、大変参考になるお話を多く伺うことができ、有意義な時間を過ごすことができました。長時間にわたり、誠にありがとうございました。取材を終えて 高齢や病気の体でありながら独り暮らしを余儀なくされる人にとって、カロリーや塩分などが計算され、なおかつバラエティに富んだおいしい食事が宅配されるサービスは非常に利用価値の高いものではないでしょうか。こうした食事は病院でもらう薬とは違い即効性はありませんが、継続することで確実に効果があらわれるものです。ですから長く続けてもらうために、宅配サービスに係る全ての社員さんが工夫を凝らして業務に取組んでいるとのことでした。 「食事で人々の健康づくりに貢献したい」という一心で仕事に打ち込み若くして大きな成果を上げてきた仁木社長の情熱とそんな仁木社長を温かく支えてきた福田会長の人柄に触れることができ、自分ももっと頑張らねばと強く思いました。        インタビュアー:営業企画部 古山■冷凍飲み込みサポート食品「 i 菜」5

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