トーク122
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 年齢を重ねると健康面に不安が生じることから、病気による長期離脱や就業中の発症といった思いがけないトラブルについて憂慮する企業が少なくないことがわかります。また、社会的にも大きな問題となっている「従業員のモチベーション」については、一旦退職することにより権限を失い、かつての部下が上司となることに対する複雑な心境や同じ仕事をしているにもかかわらず目減りした給与への不満から、それまでと同じ心持ちで働くことが難しいという問題を抱えています。さらに、「肩書き」を失ってしまうことで、居場所をなくしたような気持ちになったり、プライドが傷ついてしまうこともあるようです。そのような心持ちの従業員が、勤務怠慢であったり、「今度は企業が自分に恩返しをする番だ」と言わんばかりの態度をとってしまい、それを目の当たりにした他の従業員のモチベーションが下がってしまうという極端な例もあるようです。さらに60歳以上の従業員と、新卒入社をした20歳前後の従業員とでは、親子ほどの年齢差が生じるため、希望に満ちた若手との間に心持ちの大きな差が生まれてしまい、「うまくコミュニケーションが取れない」といったケースもあります。 「女性」・「高齢者」の雇用について当金庫のお取引先企業は、「高齢者」の雇用に関しては比較的前向きな姿勢をとっているものの、「女性」の雇用に対しては消極的な意見がみられました。この傾向は、製造業の企業が多い東海地区の特徴としてしばしばメディアにも取り上げられており、それを裏付ける形となりました。 こうした背景もあり、最近、「女性の活躍推進」が叫ばれるようになり、各企業もやっと重い腰を上げ、取組みを模索し始めたところです。 『SPECIAL TALK』の中でも話が出たように、男性と女性の間には大きな壁があり、それぞれ得手不得手があるのが事実です。こうしたことを認識し、お互いを認め合うことが「女性の活躍推進」の一歩だと思います。 そのためには、「女性が働きやすい職場環境」をつくる取組みが不可欠です。先ほどのアンケートにもあったように「女性の活躍を妨げる要因」として最も回答が多かったのは「育児などの負担」でした。どうしても女性と育児(家庭)は切り離すことができないものであり、負担を軽減するのもなかなか難しいことです。そうであれば、仕事と育児が両立できる取組み、企業の雰囲気こそが「女性が働きやすい職場環境」と言えるのではないでしょうか。 何も職場に立派な「託児所」を設けなくても、例えば、休暇取得・時短勤務・定時退社等がしやすい環境の整備や仕事と育児を両立している女性従業員との交流会の実施等、女性の目線に立って、できることから始めてはいかがでしょうか。 反対に「デメリット」についてお尋ねしたところ、「従業員の健康管理(53.9%)」「従業員のモチベーション維持(36.5%)」「若手従業員との距離(24.0%)」という結果になりました。(図⑦参照)まとめ13高齢者雇用のデメリット(複数回答可)(単位:%)従業員の健康管理従業員のモチベーション維持若手従業員との距離特にない人件費の増加仕事量の不足・人員超過新卒・中途採用の枠が減るその他010203040506053.953.936.536.524.024.017.317.314.414.412.812.811.211.22.12.1(図⑦)

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