トーク122
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「高齢者」を取り巻く雇用環境について 女性の活躍推進については、様々なメディアが報じているように、大企業を中心に工夫をして取組みが広がっていますが、次は「高齢者」を取り巻く雇用環境について考えてみます。 平成26年5月から6月にかけて当金庫が実施した中小企業景気動向調査(岐阜県・愛知県のお取引先企業658社から回答)において「高齢者(60歳以上)の雇用」についてお尋ねしたところ、65歳まで従業員を雇用する環境が整備できている企業は63.3%、できていない企業は36.7%(未回答も含む)となりました。雇用する環境が整備できていない理由としては、「人件費がかさみ、経営を圧迫するため(38.6%)」「健康面、体力面で業務を任せられないため(37.0%)」「仕事量が不足しているため(27.0%)」があげられています。この回答から、高齢者はフルタイムで働ける若い世代と比較すると就ける職種が少ないこと、退職を見込んでいた従業員を再雇用する余裕がない企業が少なからずあることがうかがえます。(図⑤参照) 65歳まで従業員を雇用する環境が整備できている企業に「高齢者を雇用するメリットとデメリット」についてお尋ねしたところ、「メリット」としては「専門的な技術、知識を持つ人を継続して雇用できる(75.0%)」「60歳以前より安い賃金で雇用できる(43.1%)」「若い従業員に技術を伝承する時間的な猶予ができる(42.6%)」が意見として多くあがりました。口頭や書面だけで教えることができない技術を伝承する必要がある企業からは、少しでも長く経験豊富な従業員を雇いたいという思惑が伝わってきます。また、専門的な技術、知識を持つ人を雇いたいという意見が多くあがるのは、製造業の割合が高い東海地方ならではの特徴であると言えます。 続いて、「新しい従業員を雇用する必要がない」と回答する企業が17.3%となっています。新卒採用されるような若年層と高齢者では、採用枠がイコールにはならないように思えますが、若年層の就業機会に少なからず影響を与えていることがうかがえます。(図⑥参照)12雇用する環境が整備できていない理由(複数回答可)人件費がかさみ、経営を圧迫するため健康面、体力面で業務を任せられないため仕事量が不足しているため職場のスペースが確保できないためその他(単位:%)38.638.637.037.027.027.014.314.39.59.501020304050(図⑤)高齢者雇用のメリット(複数回答可)(単位:%)75.075.043.143.142.642.617.317.310.910.91.71.760歳以前より安い賃金で雇用できる新しい従業員を雇用する必要がない特にないその他専門的な技術、知識を持つ人を継続して雇用できる若い従業員に技術を伝承する時間的な猶予ができる020406080(図⑥)

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