トーク120
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徹底した「従業員研修」と「日次決算システム」の導入G…こうした取組みが花開き、業績回復につながっていったのですね。本インタビューの主題である人材育成とCS(お客さま満足度)もつながる話だと思うのですが、そのあたりについてもう少し詳しくお話しいただけないでしょうか。 いくら素晴らしい技術やノウハウがあっても、それを生かす人材がいなければ、企業は成長しません。ですから、人材育成については、妥協することなく、私が中心になって行っています。基本は従業員一人ひとりの能力を引き出すことです。人材育成の根幹をなす研修制度については、従業員を階層・職能別に細分化することで、各人の目標を決定し、目標到達に必要な研修を徹底的に考え、地道に行っています。そして、研修実施後は、必ずアンケートを取り、私が自ら分析することで、今後の研修に生かすようにしています。また、従業員が自律的に働くことができる仕組みを構築す再び訪れた「ピンチ」から学んだものG…その後はどうなりましたか。 当社は、このビジネスモデルで積極的に攻めの経営に転じ、エリアをどんどん拡大していきました。売上高も急拡大し、2000年以降、5年で倍増するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いでした。しかしながら、こうした拡大経営は長くは続きません。2006年に再びピンチを迎えます。利益が上がらない体質になってしまったのです。原因を深く突き詰めていくと、ビジネスモデルに問題があるのではなくて、組織に問題があることが分かってきました。会社の規模が大きくなるにつれて、向かうべき目標が分からなくなってしまったのです。 この状況を打破するために、様々な書物を読み漁り、組織を立て直すにはどうすればいいかを考えました。その結果、たどり着いた答えは、企業が継続的に成功していくためには、「リーダー」、「マネージャー」がそれぞれの役割をよく理解し、行動するということでした。つまり、「リーダー」の役割は未来を見据えて大きな絵を描き、明確に向かうべき目標を示すことであり、「マネージャー」の役割は部下に生産的な仕事をしてもらうことなのです。この事への気付きが当社の組織戦略の新たな出発点になりました。 その後は、一人ひとりが自律的に働くことができ、毎日の成果が分かる仕組みを構築するために、トップダウン型の組織からボトムアップ型の組織へと移行しました。また、研修制度を整備し、拡充していきました。まとめると以下のようになります。SPECIAL TALK4

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