トーク120
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Motohiko IzawaMotohiko IzawaMotohiko Izawa1954年、愛知県名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒。TBS入社後、報道局(政治部)記者時代に『猿丸幻視行』にて第26回江戸川乱歩賞を受賞(26歳)。31歳で退社し、以後作家活動に専念。歴史小説・ノンフィクションに独自の世界を開拓し、週刊ポスト連載の『逆説の日本史』は、先頃連載1,000回を達成した。著書『言霊』・『穢れと茶碗』・『隠された帝』・『逆説の日本史』(古代編黎明から江戸成熟編まで既刊)他【プロフィール】「実力主義」の人事をすること 本日は、「歴史に学ぶ強い組織づくりとリーダーシップ」というテーマで時代の変遷とともに人々の意識がどう変化し、強い組織づくりのために必要なことはどういったことかをお話ししたいと思います。 まず、初めに唐突ですが、皆さんに一つ質問をしたいと思います。「株式投資で利益を得るにはどうしたらいいのでしょうか。」 答えは簡単です。「安い時に株を買って、高いときに売る。」です。なんだ、当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、実際に実行することは難しく、これができれば、誰もがお金持ちになっていますよね。 では、「強い組織をつくるには、どうすればいいでしょうか。」 これも答えは簡単です。「実力主義の人事をすること」です。これも、口で言うのは易しいですが、実際は、様々な問題を引き起こす可能性があり、うまく実行できないのが現実かと思います。では、歴史を振り返りながら、皆さまと強い組織の在り方を考えていきたいと思います。「超自由競争社会」から「競争否定の社会」へ まず、室町時代から江戸時代に移りゆくなかで、社会がどのように変わっていったのかをお話ししたいと思います。 室町時代には、惣領制といって家長が優秀な者を一人選んで後継者とし、財産すべてをその一人に相続させるという制度がありました。ただ、この制度には、誰が最も優秀かということで争いが発生してしまうという問題点がありました。現に、後継ぎ争いが原因で「応仁の乱」が起こりました。その後、戦国時代に突入していったのですが、この時代は、皆さんご存知の通り、誰もが天下をとろうとして、戦いが絶えない大変殺伐とした時代「歴史に学ぶ強い組織づくりとリーダーシップ」講演録Motohiko Izawa作家 井い沢ざわ 元もと彦ひこ 氏当金庫の取引先若手経営者で組織する「ぎふしん青年重役会」岐阜支部は平成25年9月11日(水)に第31期発会式を岐阜市の岐阜グランドホテルで開催し、会員の皆さまが約200人出席されました。本発会式では、「逆説の日本史」などの著書で有名な作家の井沢元彦先生をお招きし、「歴史に学ぶ強い組織づくりとリーダーシップ」をテーマに講演が行われました。「実力主義」の人事をすること「実力主義」の人事をすること「超自由競争社会」から「競争否定「超自由競争社会」から「競争否定の社会」へ10

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