トーク118
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ある『MPM(メタルドパイピングモールド)』工法です。これは、金型に複数の配管を貼り付け、水蒸気を通して急激に熱したり、冷やしたりするものです。 加熱した状態で材料を流し込み、急冷して即座に固めるため、成形時間が従来のタイプの4分の1と短縮でき、また、消費熱量も3分の1に抑えることができ、使用電力を削減することができます。いわば、環境に配慮したエコな金型であるといえます。もちろん、複雑な形状でも薄く成形でき、自動車業界の軽量化や省エネの動きにも通じるものと考えています。 現在、電気鋳造は自動車産業をはじめとして、建築用部材、日用品、芸術品などさまざまな分野へと、その利用範囲は広がりつつあります。電気鋳造をあらゆる用途で、世界中の皆様に使ってもらうことが『私の使命』であり、『夢』でもあります。常日頃からそんなことばかり考えており、昔も今も『仕事』=『自分の趣味』と言っても過言ではありません。 今、個人的には、『日本一どでカボチャ大会』で上位入賞した約400キログラムもあるカボチャに電気鋳造技術を施し、精巧に再現しようとしています。どんな作品になるか楽しみです。 これからどんなに時代になろうとも、創造して形にするのは人です。私は従兄の大火傷が契機となり、今まで電気鋳造一筋に生きてきました。今後もこの姿勢は変わりません。これからも、社員の幸せを願い、社員と共にお客さまのお役に立つにはどうすればよいかを真剣に考え、挑戦し、進歩することで、社会に貢献をしていく決意です。G…本日は、御社のものづくりに対するチャレンジングスピリットを肌で感じ、大変有意義な時間を過ごすことができました。長時間に渡り、誠にありがとうございました。 ところがこれが予想もしない展開となりました。日本国内での特許しか取得していなかったため、この数年の間に同業者が『ポーラス電鋳技術』の評判を聞きつけ、品質の悪い電気鋳造金型を日本の特許の及ばない海外の自動車メーカーへ売り込んだため、海外での評価がガタ落ちとなってしまったのです。その後、海外展開を何度も試みましたが、こうした影響もあり、売り込みは全て失敗しました。 そうした中、『ポーラス電鋳技術』の悪いイメージを払拭できたのは、1998年に海外のある大手自動車メーカーからの1通の注文メールが届いてからです。理由は、そのメーカーが世界中の車のインパネの品質を調べた結果、最も高品質のインパネが、当社の『ポーラス電鋳』金型で製造したものであることを知ったからでした。これをきっかけにして、国内外の自動車メーカーに 当社の『ポーラス電鋳金型』を採用していただくことになり、社会的な信用が構築できました。仕事を通じ精いっぱい社会に貢献することG…顔に大きな火傷を負った従兄を助けてあげたいという強い思いが原点となった野田社長の電気鋳造技術は、今や世界が認めるまでに成長しましたが、最後に野田社長の『夢』をお聞かせください。社長…『ポーラス電鋳』を更に進化させた『スーパーポーラス電鋳』の技術も開発しました。この技術は、金型表面を忠実に成形品に転写できるのが特徴です。またこの金型は、射出成形やブロー成形の圧力に耐えられる成形型でもあります。さらに、紙のパッケージを成形する『メッシュ電鋳』や街路灯カバーを成形する『金網配管電鋳』、自動車の廃棄に伴い、排出されるウレタン、布などから複雑な形の製品を製造することが可能な『パンチング電鋳』など新しい電鋳技術を次々と開発しました。 現在、当社で力を入れているのが、独自の金型工法で■スーパーポーラス電鋳金型■スーパーポーラス電鋳金型 裏面■電気鋳造金型で製造した インストルメントパネル(インパネ)5

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