トーク117
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好印象を与え、説得力を強化する秘訣 次に好印象を与え、説得力を持たせるためにはどうしたらいいかをお話しましょう。 例えば、化粧品のセールスの際、「この化粧品は○○と言う成分が入っていて、お客さまの肌には大変効果がありますよ。」と話すのと「いま買っていただくとおまけを付けます。何とかお願いできないでしょうか。」と話すのとどちらがお客さまに好印象を与えることができるでしょうか。大多数の人がお客さまのことを考えた前者のセールスに好印象を持つかと思います。一方、後者のセールスは打算的な感じがします。つまり、前者はポジティブで「あたたかさ」のあるイメージに、後者はネガティブで「冷たさ」のあるイメージで受け止められます。 このように「あたたかさ」、「冷たさ」は、相手に与える印象に大きな影響力があります。 つまり、自分のことを更に印象良く、肯定的に受け入れてもらうには、相手に「あたたかさ」と言う印象を抱かせることが大切なのです。 ただし、あまりにも長所や都合のいいことばかり話し過ぎると話しがうさん臭くなってしまう危険性があります。そこであえて否定的な内容を挟む「二面性提示」を行なうことにより、話に説得力を持たせることが出来るのです。例えば、次のようなセールストークです。 「新しいハンディカムがでました。従来製品の、なんと20倍の高画質!その場でシールにも。世界最多の高機能!ただし、女性には少し重いかも!でもこの値段で買えるのは今だけ!」 このセールストークは途中で「女性には少し重いかも!」と言う否定的な内容を挟むことで真実味が増し、説得力が強化され、購買意欲をかきたてるものになっているのです。相手を納得させる「座り位置」とは 最後に相手を納得させ、交渉を成功させる「座り位置」をお話しします。 会議、商談などで「話をしている内容は大して違わないのに、同僚の意見は通りやすくて、私の意見は通らないのはなぜだろう」と首を傾げることはありませんか。これは、話をしている内容に問題があるのではなく「座り位置」に問題があるのかもしれません。 多くの会議を観察し続けた心理学者スティンザーは50年もの観察研究の結果、大変興味深い法則を発見します。それは、相手の「正面」に座るか、「隣」に座るかで相手の同調のしやすさが異なるというものです。この法則を彼の名前をとって「スティンザー効果」と呼びます。 この法則は、相手の「正面」に座ると視線と視線がぶつかり合うにらみ合いの状況が出来てしまい、反対意見が出やすく、逆に相手の「隣」に座ると目を合わすことが少なく、話を素直に聞いてしまうと言うものです。つまり、相手と目を合わせる頻度が高くなるほど、相手の心に余裕がなくなり、否定的な意見が出やすく、頻度が低くなるほど相手の心に余裕が出て、思考が浅くなってしまうのです。例えば、相手の「隣」に座ってセールスすると成功する確率が高いのですが、一方でクーリングオフ率も高くなるのは、こうした理由によるものです。 この「スティンザー効果」を応用して、交渉に最も適した「座り位置」は相手の90度角に座る「カウンセリングポジション」と呼ばれる場所です。目を合わせる頻度も適度に調節しやすく、話をしやすい絶好の「座り位置」です。しかしながら、初対面の相手に対しいきなり「カウンセリングポジション」で話をすることは難しいかもしれません。こうした場合でも、資料を説明する状況をつくりだすなどして積極的に「カウンセリングポジション」に移動してみてください。効果が期待できます。 本日は、ご清聴ありがとうございました。11

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