トーク117
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第一印象はわずか2分間で決まる 本日は、「初対面で印象は決まる」つまり、相手に好印象を与え、交渉を成立させるためにはどうしたらいいのかをお話しします。 「第一印象の良し悪しが、その後の関係を左右する。」多かれ少なかれこうした経験をされた方は多いのではないでしょうか。それではいったい第一印象が決まる時間はどれくらいなのでしょうか。 心理学の統計では、初対面の相手と話をし始めて2分後には、「貧乏ゆすり」や「指いじり」などの「飽きるサイン」が出始めるという結果が出ています。つまり、人間の集中力は短く、真剣に話を聞くことが出来るのはおおよそ2分間であると言えます。逆に言えば、第一印象はわずか2分間で固定してしまうのです。しかも、一度固定してしまった第一印象は長い間修正されにくく、むしろ増幅する傾向にあるのです。こうした現象を心理学では「初頭効果」と言っています。まず、アピールしたいことを話す ここで、心理学者のソロモン・アッシュが行なった興味深い実験についてお話します。 ある新入社員を紹介する2つの文章を用意し、「どんな人物が連想されるか」と言う印象に関する実験を行ないました。 1つ目の紹介文は、「知的で、勤勉で、頑固で、嫉妬深い人」と書かれ、2つ目の紹介文には、「嫉妬深くて、頑固で、勤勉で、知的な人」と書かれています。よく見れば、どちらの紹介文も特徴を紹介する順番は違えども書いてある内容は同じです。しかし、前者を欠点はあるが能力のある人と好意的に受け止め、この人と働きたいと思う人が多かった一方、後者は、欠点のために能力を発揮できない人と否定的な印象が強くなり、この人と働きたいと思う人が激減したのです。 この結果は、最初の特徴が印象の核となったことを意味しています。つまり、自己紹介やプレゼンテーションでは、回りくどい話をせず、自分がアピールしたいことを第一印象が固定する2分間に伝えることが重要なのです。植木 理恵 氏【プロフィール】 ■1975年 大分県生まれ■2003年 東京大学大学院教育心理学コース終了■2003年~2006年 文部科学省(日本学術振興会)において 心理学の特別研究員として勤務 日本教育心理学会「城戸奨励賞」「優秀論文賞」 受賞臨床心理学者講演録ぎふしん青年重役会「初対面で印象は決まる」~好かれる技術~10

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